深田久弥著 「日本百名山」より 函館を発って札幌へ行く汽車で、私たちの目をそばだたせる山が二つある。まず駒ヶ岳、ついで後方羊蹄山(シリベシ山)。駒ヶ岳の颯爽とした尖峰は胸の透くような眺めだが、後方羊蹄山はドッシリと重く、一種の圧迫を感じる。古来蝦夷富士と呼ばれただけあって、その端正な山容はどこから眺めても形を崩さない。 |
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夫婦で登る日本百名山の北海道遠征は、昨年7月に行うはずだったが、私の膀胱がんが見つかり入院・手術となったが、経過が良いので、今年こそはと遠征の旅を2〜3週間と枠を決めずに行くことにした。しかし、タイミングが悪く台風7号からの低気圧の影響で幌尻岳陽樹コース(片道19km)は大雨の中歩き、ポロシリ山荘に入るが、翌日の登山は唯一の沢が増水で渉れずに撤退となってしまった。その後も道東は荒れ模様のために、最初の登山は天気の良い山に登る事にして、車を日高から札幌の西、後方羊蹄山まで走らせる事にした。 | |||||||||||||||||||||
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7月4日に苫小牧に入り、イドンナップ山荘で車中泊をして陽樹コースを歩き、低気圧の影響で幌尻岳を撤退してから7日までの4日間は、北海道の東側は天候が悪く、登れる山を探してウロウロした結果、後方羊蹄山まで行くことにした。 7日も雨が降る中、日高道を苫小牧方面に戻り、ルスツからニセコを目指し、道の駅真狩にて車中泊をした。 10分ほどで真狩キャンプ場まで来た。広い駐車場には数台の車しかない。目の前に見えるはずの後方羊蹄山はガスの中で山容も見えない。 |
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駐車場のすぐ上には、大きなトイレの建物が建ってある。トイレの中はとてもキレイに使用してあった。 | |||||||||||||||||||||
テント場は芝生の上に数張りあったが、登山では無いようでみんな寝ているようだ。 | |||||||||||||||||||||
登山口に登山届けを出して、5時ごろ登り始める。しばらくは緩やかに登っていく。 | |||||||||||||||||||||
合目標識があり、目安としてはわかりやすい。 | |||||||||||||||||||||
大木が倒れて道を塞いでいた箇所が数カ所あった。 | |||||||||||||||||||||
粘土質の登山道を登って行くが、3合目からはガスの中に入って行く。 | |||||||||||||||||||||
登山道は急登が始まり、しばらくは息が上がるほどの急登になってきた。 | |||||||||||||||||||||
5合目を越えると、青空の中、眼下に雲海が見えて来た。後方羊蹄山の南には高い山が無いようで、雲の上に顔を出している山が見えない。 | |||||||||||||||||||||
8合目からは、林を抜け出し9合目の稜線が見えて来た。 後ろの急斜面は45度はありそうです。この急登を登って来ました。 |
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9合目は、マッカリ小屋との分岐にありました。 | |||||||||||||||||||||
分岐からは10分ほどで行けるのでしょうか。大雪の時は埋もれてしまうほどの小屋です。 | |||||||||||||||||||||
九合目上の稜線に出てきました。眼下に見える雲海が素晴らしいです。 | |||||||||||||||||||||
火口分岐までやって来ました。右から登るとCTは30分となっていますが、たまたま先にいた登山者の話だと、「ガスの中、右回りだと危ないので左回りがよい」とのアドバイスを受けて、左回りで登ることにした。 | |||||||||||||||||||||
父釜火口の向こう側にある後方羊蹄山山頂は、全く見えません。 | |||||||||||||||||||||
10分ほどで旧の小屋跡があります。コンクリートの土台からすると大きな小屋だったようです。 | |||||||||||||||||||||
小屋跡を下るとキバナシャクナゲの群生です。今が盛りと背の低い幹に小さな花を咲かせていました。 | |||||||||||||||||||||
火口分岐から45分かかって、ガスの向こうに後方羊蹄山の山頂が見えて来ました。火山の噴火で出来た岩稜の荒々しい風景が見えます。 | |||||||||||||||||||||
昼食を60分ほど摂っていた間に、ガスが晴れて青空が出てきたので、青空をバックに、再度写真を撮ってもらった。 北海道に来てから初めての青空です。 夫婦で登る日本百名山は71/100座です。 |
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ピークから、雪渓が残る父釜を眺める。周囲5q、深さ200mあり大きな火口である。 | |||||||||||||||||||||
後方羊蹄山から見た雲海の下は、京極か倶知安の町だろうか、すぐそこに見えていた。 素晴らしい青空の中、幌尻岳のウップンを晴らすかのように75分も山頂で風景を堪能してから下山した。 下山後は、マッカリ温泉にてのんびり風呂に入り、次の山、雌阿寒岳に登るため千歳方面の道の駅を目指して行くことにした。 |
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幌尻岳−後方羊蹄山−雌阿寒岳−斜里岳−羅臼岳−大雪山旭岳−十勝岳 |
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