深田久弥著 「日本百名山」より 斜里岳はかねてからその姿を写真で見て、私の憧れの山の一つであったが、初めてその実景に接したのは昭和34年(1959年)8月下旬であった。釧路から網走に向かう汽車に乗って、釧路と北見の国境を越え、斜里原野に下って行く途中、車窓の右側に大きく現れたのが斜里岳であった。 |
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夫婦で登る日本百名山の北海道遠征4座目は斜里岳にした。7月10日、雌阿寒岳に登った後は、斜里岳の麓にある道の駅パパスランドさっつるにて風呂に入り、車中泊をして11日に登る予定だったが、朝からの大雨で、休養を兼ねて網走まで約50キロ走り網走監獄を見に行く。雨にもかかわらず大勢の人たちが見物していた。帰りはオホーツク海を見ながら斜里の町まで戻り、道の駅パパスランドさっつるにて2泊目の車中泊とした。 | |||||||||||||||||||||
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道の駅パパスランドさっつるにて3時半起床。軽く朝食を摂り、清岳荘に向かう。10数qで30分もかからずに清岳荘駐車場に到着した。 | |||||||||||||||||||||
今日はガスもなく、昨日の大雨がウソのよう晴れていた。 | |||||||||||||||||||||
登山届けを出してから、5時出発する。 | |||||||||||||||||||||
清岳荘から数分で林を抜けると、登山道の看板があるが、車道のようで轍の跡がはっきりわかる平らな道となっていた。 | |||||||||||||||||||||
15分ほど歩くと、旧の清岳荘が建っていた跡地だろうか広くUターンも出来る場所までくる。この先からは狭い登山道になる。 | |||||||||||||||||||||
7月初旬は天気が不安定で雨のよく降っていたが、更に昨日の大雨もあり、初っぱなから靴が水没しそうな徒渉となっていた。 事前の情報では、下二股までの徒渉は『水量は多くないので靴を濡らすことはない』との情報が多かったので、安心していたが、水没しそうな徒渉が10数カ所もあり、沢靴を用意した方が良かったほどの水量だった。 |
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カミさんの手を取りながら、時間をかけて下二股までたどり着いたので、写真は最初の2枚だけで全く写す余裕はなかった。 おかげで、往路はドボンすることが無く渉り切れた。 |
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CTは30分ほどで下二股まで行くが、60分もかかってやっと下二股までたどり付いた。 若い人たちは、旧道(沢コース)に入っていったが、私たちは、旧道の増水が気になり、新道から熊見峠コースを選んで急登を登り出す。すると後ろにいた数人も新道コースを登ってきた。 |
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新道からは旧道に比べて30分ほど長く歩くことになるようだが、増水の沢を登るのはリスクがあり、年寄りには安全が何よりです。 | |||||||||||||||||||||
下二股からの急登を登りきると藪こぎのような笹の茂みに入るが、登山道は緩やかに登る。 | |||||||||||||||||||||
下二股から約60分で熊見峠まで来た。 | |||||||||||||||||||||
斜里岳山頂はガスの中だが、延々と続く登山道の遙か彼方に北海道の自然を感じる。 | |||||||||||||||||||||
遠回りしたが、やっと旧道の沢コース、上二股までたどり付いた。 | |||||||||||||||||||||
上二股から上の沢は水量が少なく、下二股までの増水した沢の流れがウソのように楽に進む。 | |||||||||||||||||||||
水量の少ない沢を渉りきると、樹林が切れ胸突き八丁のガレ場の登りとなり、展望が広がった場所が馬の背となる。 | |||||||||||||||||||||
馬の背からは、ハイ松の稜線を登って行くと目の前に斜里岳が見えてくる。 | |||||||||||||||||||||
ハイ松の稜線の合間に、チングルマの群生があった。その脇には、オダマキやエゾアズマギクの可憐な花々が咲いていた。 | |||||||||||||||||||||
斜里岳に9時30分到着した。山頂は広くガスが晴れていて、増水した沢をやっと渉ってきたことも忘れていた。 下二股で旧道の沢コースを登って行った4人組は、結局私たちの後から山頂に到着したが、「増水で大変だった」ようだ。 |
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夫婦で登る日本百名山は、73座目となりました。 | |||||||||||||||||||||
山頂はガスが出たり晴れたりだったが、運良く羅臼岳も雲の上に見えていました。 | |||||||||||||||||||||
帰路も熊見峠からのコースで下るが、登りの時はガスの中だった斜里岳もキレイに山頂まで見えていた。 | |||||||||||||||||||||
下山時も下二股からの徒渉は、水が引かずに相変わらずの増水で、疲れもあり2カ所ほどで靴のままドボンと落ちながらも、なんとか徒渉し清岳荘まで帰ってきた。清岳荘を14時ごろ、次の目的地の羅臼岳に向けて出発。知床ウトロの夕陽台の日帰り温泉を目指して行く。 今晩の宿泊地、道の駅うとろ・シリエトクは、新しい建物でトイレもキレイに管理されていたが、道外ナンバーの車も多く、トイレの洗面所で料理をしたり、洗ったりして汚していたのか、「料理・洗い物禁止」と大きく書いてあった。 |
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幌尻岳−後方羊蹄山−雌阿寒岳−斜里岳−羅臼岳−大雪山旭岳−十勝岳 |
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