深田久弥著 「日本百名山」より
名山と呼ばれるにはいろいろの見地があるが、山容秀麗という資格では、鳥海山は他に落ちない。眼路限りなく拡がった庄内平野の北の果てに、毅然とそびえ立ったこの山を眺めると、昔から東北第一の名峰とあがめられてきたことも納得できる。東北地方の山の多くは、東北人の気質のようにガッシリと重厚、時には鈍重という感じさえ受けるが、鳥海にはその重さがない。颯爽としている。 |
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夫婦で登る日本百名山の北海道遠征は7月に5座を登って帰って来たが、8月には用事が重なり全く登れなかった。9月に入ってからは天候が不順で北・南アルプスも雨が続いていたために、天気の良さそうな東北遠征に行くことにした。前回の東北遠征は岩手山から八幡平・八甲田・岩木山に行ったので、今回は鳥海山から月山・大朝日岳の遠征とした。 |
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昨日の9月10日横浜を発ち山形県に入るが、夕方には雨となり祓川駐車場に至る山道では前も見えないほどのガスになっていたので、ナビを頼りに目隠しされたような状態で、この祓川駐車場までやっとたどり着いたので、周りの様子は起きてみて始めてわかった。 朝から快晴で、このような朝日がみられるとは思わなかった。 |
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広く大きな駐車場で、トイレも駐車場の端にあったが、夜には雨も降り手探りの状態でトイレまで行くようであった。できれば他の登山口のトイレのようにドアを開けるとライトが点くようになれば、登山者は喜ぶと思います。 夜が明けると2台ほどの車も来て、5時30分ごろ同時に登り始めて行く。 |
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駐車場のすぐそばには、祓川ヒュッテがあり、その脇を通って竜ヶ原湿原を抜けて行く。 | |||||||||||||||||||||
竜ヶ原湿原まで来ると青空の中、目の前に鳥海山が見えて来た。 | |||||||||||||||||||||
10分ほどで祓川神社まで来た。小さな簡素にできたお社でした。お賽銭はあげなかったが本日の無事な登山をお願いした。 | |||||||||||||||||||||
祓川神社からは、本格的な登山道になっていた。昨日の雨の影響で登山道には雨水が流れていたが、スパッツはいらないほど道ははっきり整備されていた。 | |||||||||||||||||||||
6時15分、45分ほどで賽の河原まで来た。ここまでは、足馴らしの道であった。 | |||||||||||||||||||||
賽の河原を過ぎてその上にある高層湿原を抜けると、登山道は急登が始まり、しばらくは息が上がるほどの急登になってきた。 その急登の周りには、野いちごが沢山あり、多くの登山者が摘んだようで、私たちも2〜3粒食べたが酸味があり美味しかった。 |
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急登を上がると、七ツ釜避難小屋まで来る。登山道には「康ケルン」が存在感を増していた。 | |||||||||||||||||||||
7時20分、康新道と大雪路との分岐まで来た。日本海を見ながら登るため康新道から行くことにした。 | |||||||||||||||||||||
矢島口からのコースは、大きな林もなく七ツ釜避難小屋まで来たが、更に康新道は腰から下のハイ松ほどの木々しかないので展望が抜群だった。 | |||||||||||||||||||||
正面には七高山の後ろに新山が見え始めて来た。 | |||||||||||||||||||||
少しずつ雲海を下に見ながらハイ松の生い茂る稜線を緩やかに登る。 | |||||||||||||||||||||
康新道から60分ほど登ると、今までは七高山の陰に隠れていた新山が目の前にはっきりと見えて来た。 しかし、ここからが七高山までの本格的な登山になる。 |
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七高山に向かっては、火口の端のような崖に沿って険しい岩場を登って行く。雲海が日本海と海辺の町並みを飲み込むように拡がってきた。 | |||||||||||||||||||||
9時30分、4時間掛かり大雪路との分岐まで来た。 | |||||||||||||||||||||
9時40分。七高山にたどり着く。 | |||||||||||||||||||||
七高山からの新山は、いかにも噴火した岩石が堆積して人を近づけさせないような雰囲気を醸し出している。 | |||||||||||||||||||||
一旦火口まで降りるが、カミさんは足が進まない。なだめすかしてあの新山まで登ることにする。 | |||||||||||||||||||||
火口からまた登る。岩だらけの登山路は年寄りには大変だ。 |
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11時30分、丁度5時間かかって鳥海山山頂でした。七高山から50分もかかる。 |
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山頂は狭く先着の年配の女子たちが4〜5人いたが、なんとか写真を撮ってもらい早々に下山する。というか次から次へと登山者が来るのに先着のおばさんたちは、動こうとしないのでゆっくりと写真も撮る時間もなかった。やはりおばさんたちは強い!おじさんは負ける。 | |||||||||||||||||||||
七高山まで戻り、目の前に拡がった雲海を見ながら昼食休憩を摂る。 天気も良くのんびりしていたいが、登りも大変だったように帰りも遠いので、30分ほどで下山することにした。 |
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帰りは、大雪路コースから降りることにした。 | |||||||||||||||||||||
大雪路コースは、康新道とは違い整備された道もあるが、岩石の間を通って作られた道でカミさんには歩きづらく、帰りも大変でした。 | |||||||||||||||||||||
竜ヶ原湿原は、もうすぐ秋の気配を感じさせるような湿原となっていた。 祓川からは、日本海に面した秋田の象潟に向かい日帰り温泉に入る事にした。その後は、明日、月山に登るため酒田みなとから日本海東北自動車、山形自動車道に乗り、月山近くの道の駅にしかわまで移動して車中泊にした。 |
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鳥海山−月山−大朝日岳−山寺 |
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