HOME   山行記録   神奈川の山   百名山    横浜環境保土ヶ谷山歩会

 深田久弥著 「日本百名山」より
 高さだけではない。また一番奥深い山でもある。たいていの山は、その頂上から俯瞰すると、平野か耕地か、煙の立つ谷か、何か人気臭いものを見出すが、黒岳からの眺めは全くそれを絶っている。四周全て山である。文字通り北アルプスのどまんなかであって、俗塵を払った仙境に住む高士のおもかげをこの山は持っている。
 烏帽子から三ッ岳・野口五郎岳を経て三俣蓮華に至る尾根伝いは、以前は静かなコースであったが、近年は裏銀座などという名が付けられて、登山者が非常にふえてきた。黒岳はその縦走路から少し北に外れているおかげで、空缶や紙屑の難から免れているのは嬉しい。ただ先を急ぐことをのみ能とする縦走病患者は、この立派な山を割愛して、少しも惜しいとは思っていないようである。
山行状況
日程 2016/9/1 入山地 烏帽子小屋
メンバー 大島・Y
行動時間 9時間45分
コース及びタイム
烏帽子小屋5:00-8:15野口五郎小屋8:35-8:50野口五郎岳9:00-竹村新道分岐9:35-東沢乗越11:20-12:30水晶小屋13:15-14:00水晶岳14:10-14:45水晶小屋泊
8月30日 8月31日 9月1日 9月2日 9月3日
七倉温泉 高瀬ダム
烏帽子岳
烏帽子小屋
野口五郎岳
水晶岳
水晶小屋
鷲羽岳
野口五郎小屋
野口五郎小屋烏帽子小屋
高瀬ダム

 8月31日の昨日は、ブナ立て尾根登山口を苦労して登り、烏帽子岳のオリベスクの上でしばらくのんびりしながら、今日縦走する三ッ岳から野口五郎岳、水晶岳を眺めていたが、今日9月1日は、朝5時夜明け前の烏帽子小屋をお弁当を持って出発した。
 というのも、昨日水晶小屋に電話すると「予約で一杯なので泊まれないかも」とのことで、もしも泊まれない場合のことを考えて早めに出発し、泊まれない場合は三俣山荘まで行くことも予想しての早立ちになった。

烏帽子小屋  5時、山の朝としてはあまり早くないが、9月に入ったこの時期はまだ暗い。それでも次の山に向けて出発する人達も多い中、私たちも出発する。
 烏帽子小屋から15分ほど登った稜線からは、朝日が昇ってきた。山で見る朝日は特別なものがある。つい両手を合わせる。 日の出
尾根道の夜明け  次の三ッ岳までの稜線も、朝早くの体には息が上がり時間をかけて登る。
 三ッ岳北峰までは、コースタイムが1時間で、300mほどの標高差だが辛い登りとなっていた。 三ッ岳
三ッ岳西側から剣岳、烏帽子岳の眺め  三ッ岳の西側からは剣岳と昨日登った烏帽子岳が画のように見えている。烏帽子岳はガスに覆われいた。
 三ッ岳を過ぎると西峰手前に、お花畑と稜線コースの分岐に出た。これからの長い稜線歩きのため体力温存でお花畑コースへトラバースしていく。 西峰の花畑コースを行く
 東には大天井岳から槍ヶ岳の表銀座が見えてくる  燕岳から大天井岳、そして常念岳から槍ヶ岳への表銀座コースが快晴の青空の下、東側に寄り添うように見えていた。
 南西側には、水晶岳から赤牛岳へのなだらかな稜線が見える。 南には水晶岳が見える
 野口五郎小屋></A></TD>
        <TD class=  8時15分。歩き始めて3時間15分、野口五郎小屋にたどり着く。
 2日目の脚は大分疲労が溜まってきたがしばらく休み、明日帰り際の宿泊予約を入れて野口五郎岳へ登る。 野口五郎小屋にて小休止
野口五郎岳  小屋からは15分、野口五郎岳からも360度の素晴らしい展望である。
 野口五郎岳からは下りで35分。竹村新道分岐に出る。ここから湯俣温泉を経て高瀬ダムまで行けるようだ。

竹村新道分岐
 大天井岳から常念岳、槍ヶ岳の遠望  相変わらずの展望である。10数年前に歩いた中房温泉から合戦尾根を登り槍ヶ岳までの表銀座コースを想い出しながら歩いていた。
 竹村新道分岐からの長い岩稜帯は、カミさんには歩きにくく疲れたようで時間をかけて東沢乗越に抜けた。 竹村新道分岐からは岩稜帯が続く
 稜線の先に鷲羽岳が見える  岩稜帯の終わり頃には鷲羽岳が目の前に見えてくるが、まだ先が長い。
 やっと岩稜帯も終わり東沢乗越までやってくる。水晶小屋までの最後のやせ尾根を乗り越えなければならない。 東沢乗越
 水晶小屋手前の最後のやせ尾根を登る  水晶小屋手前の赤茶けた今にも崩落しそうな、急登のやせ尾根が疲れた体に追い打ちをかけるように迫って来た。
 12時30分。水晶小屋にたどり着きました。カミさんも私もヘロヘロでした。
 水晶小屋では早速今夜の宿を申し込むと、「今夜は布団一枚で2人で泊まれます。原則小屋に泊まりたい人達は泊めますよ」とのことで、三俣山荘まで行かなくてもよく、一安心でゆっくりと昼食休憩を摂ることにした。
水晶小屋の到着です。
 水晶岳から赤牛岳への稜線  昼食休憩後、水晶岳に向かう。稜線の先には赤牛岳が見えていた。
 なだらかな稜線歩きだが、その先では切り立った岩場の山頂が見えてきた。 水晶岳
水晶岳へのハシゴ   山頂手前では、ハシゴが出てくるが、このハシゴを登ればすぐに山頂だ。 
 水晶岳山頂はゴツゴツした岩ばかりの足下が悪い狭い山頂であった。3〜4人もくれば入れ替わりに降りなければならないほどの狭い山頂だった。 水晶岳山頂
水晶岳山頂   この写真もあとから登って来た人に撮って貰った後、早々に下山するほどでした。
 小屋に帰る稜線から見たワリモ岳と鷲羽岳です。明朝夜明けと共に登り、小屋まで帰って来ます。 明日登る鷲羽岳からワリモ岳への稜線
 今夜の宿 水晶小屋  

 小屋に戻りビールを飲みながら、今日歩いて来た野口五郎岳のたおやかな白い稜線を酒の肴にしばらく眺めていた。
 今夜の宿の水晶小屋は、やせ尾根の上と稜線の下の狭い場所に作られていた。2007年に新築したようで内部は狭いもののキレイで密閉性もあるのか、夜満員の室内は暑いほどであった。
 

烏帽子岳−水晶岳−鷲羽岳 

  HOME   山行記録   神奈川の山   百名山    横浜環境保土ヶ谷山歩会  
inserted by FC2 system