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山行状況
日程 20年9月14~16日 入山地 上高地
メンバー 大島 行動時間
(休憩含む)
1日目5時間15分
2日目6時間20分
3日目8時間40分
コース及びタイム
1日目 上高地バスセンター7:45-河童橋7:50-明神8:25-徳沢9:10-9:55横尾10:25-11:15本谷橋11:25-涸沢小屋13:00
2日目 涸沢小屋6:30-南陵取付ハシゴ7:45-テント場9:00-奥穂高分岐9:05-北穂高岳9:15-9:20北穂高山荘9:55-奥穂高分岐10:00-11:15最低のコル11:20-12:25涸沢岳12:35-穂高岳山荘12:50
3日目 穂高岳山荘6:20-7:00奥穂高岳7:15-南陵の頭7:20-8:35紀美子平8:45-9:20前穂高岳9:40-10:10紀美子平10:20-雷鳥広場10:40-岳沢パノラマ11:05-カモシカ立場11:35-12:25岳沢小屋13:00-河童橋14:50-上高地バスセンター15:00-沢渡15:30

 例年この時期には、カミさんと一緒に日本百名山に登り、今年は南アルプスの百名山に登る予定を立てていたが、コロナで南アルプスの山小屋はほとんどが休業しているので登れなくなってしまった。登れる山を探し、前回の黒部五郎岳や乗鞍岳には登ったものの、他の百名山への登山は難しくなり、カミさんのモチベーションが下がってきたので、今回は一人で3000m峰の縦走に挑戦しに来た。

沢渡ナショナルパークゲート 沢渡ナショナルパークゲート
 最近、沢渡付近の賑やかさがないと感じながら何回か通り過ぎていたが、今回の上高地へのシャトルバス利用で初めてわかった。7年ほど前に沢渡の対岸に新しいバスターミナル「沢渡ナショナルパークゲート」が出来ていて、下の大きな駐車場や足湯公園の駐車場がガラガラになっていたのだ。2300円の往復切符を買い7時のバスに乗車した。
河童橋から穂高を望む 明神
 河童橋からの穂高岳を見るのは久しぶりだ。相変わらず大勢の人たちで賑やかな河童橋周辺である。7時50分、河童橋から歩き出す。明神までは一般の観光客の姿もちらほら見える。
徳沢園 横尾大橋
 上高地の小梨平や徳沢園のキャンプ場は、以前、熊が出てキャンプ場が封鎖されていたが、最近封鎖が解除されてテントがちらほら張られていた。横尾にて30分の朝食休憩を摂った後、横尾大橋を渡り涸沢に向かう。
 本渓橋 北穂高岳
 横尾から50分、本谷橋に着いた。上高地からここまでは水平移動で順調にやってきたが、ここからはいよいよ登山の開始になった。本谷橋からの30分ほどは、急登となりのんびり登ると、やがて北穂高岳が目の前に見えて来る。
涸沢ヒュッテと涸沢小屋分岐 テント場
 その後は、急登が無くなるが、脚に来る登りでガマンの登りが続く。12時45分、涸沢小屋と涸沢ヒュッテとの分岐まで来た。今回は涸沢小屋に泊まるので、右側から登って行く。テント場に色とりどりのテントが張られていた。それでも紅葉の季節前なので少なかった。
 涸沢小屋 涸沢小屋
 13時には涸沢小屋に入る。今年はコロナ対策で満室時(160人)の半分(80人)を受け入れて、今日は30人の宿泊とのこと。部屋も布団を間引いて快適だった。
) 穂高の朝 北穂高岳への急登
 2日目の朝。奥穂高岳から吊り尾根に朝日が当たる。快晴の一日の始まりだ。6時30分、朝食を食べてから北穂高岳に登り出すが、始まりから急登の連続だ。
 一枚岩のクサリ 南陵取り付きハシゴ
 登り始めから60分ほどは、ストックも使えて登っていたが、南陵取り付き手前からスラブ状の一枚岩のかかる長いクサリが現れてきた。さらにその先には長い鉄のハシゴを登り、南陵に取り付く。
  奥穂高岳と涸沢岳
 ハシゴを登ると、岩場の急登が連続して現れてくる。ガマンの登りを続けると、目の前には、奥穂高岳と涸沢岳、その手前の最低のコルが見えてきた。
 北穂高岳テント場 奥穂高岳分岐
 9時、北穂高岳のテント場まで来た。北穂高岳から遠い所にある。北穂高小屋から15~20分かかりそうだ。その先には、奥穂高岳との分岐を見ながら北穂高岳に急ぐ。
 北穂高岳山頂 大キレットから槍ヶ岳
 9時15分、北穂高岳山頂到着です。広い山頂からは、北に槍ヶ岳、その手前の大キレットが谷底に切れ込んでいて不気味だ。谷底左側のピークは長谷川ピークとの事。大キレットを下り槍ヶ岳まで行くと言う若者が教えてくれた。
 黒部五郎岳、薬師岳、槍ヶ岳 笠ヶ岳
 正面左には、先日登った黒部五郎岳が見え、真ん中奥には薬師岳、右には槍ヶ岳が見える。西側には笠ヶ岳が近い。
北穂高小屋 北穂高小屋
 山頂下にある北穂高小屋にて小休止をする。槍ヶ岳が目の前に見える展望抜群のテラスには大勢の登山者が休憩していた。40分ものんびりした後、涸沢岳を目指して行く。
滝谷ドーム 滝谷ドームへの下り
 奥穂高岳との分岐から先は、険しい下りに入って行く。滝谷ドームが下に見える。写真と違い大きな岩山だ。私のすぐ後から二人連れの若者が来ていたので、二人に写真を撮る了承を得ながら、下る様子を写真に捉えた。
 厳しい下りが続く
 登山者がいないと岩場の様子が伝わらず、険しさがわからないので、私が下りた後に振り返りながら二人の写真を撮っていた。
 奥穂高岳と北穂高岳の標識 奥壁バンドのトラバース
 滝谷ドームへの下りが一段落すると、「奥穂高岳ー北穂高岳」の岩に書いた標識が現れる。ここまで30分の下りだ。この先は、奥壁バンドのトラバースのようだ。飛騨側に大きく切れ込んだ崖を、約200mほどトラバースしていく。
 奥壁バンドのトラバース 涸沢岳
 緊張の連続で手に汗を握りながらも慎重に足場を探しながら下って行く。目の前に涸沢岳が見えて来たが、ガスも飛騨側から沸き上がって来る。
 最低のコル
 11時15分、最低のコルに到着した。北穂高岳から1時間20分かかる。5分間の小休止している間に、涸沢岳から下りて来た単独の山ガールが「下りて来たが、後悔しています。脚がすくんで動けません」と嘆いていた。
 亀岩を越えて一旦下り、ここから最後の難所を登って行く。
 垂直のクサリ 危険なハシゴ
 取り付きは岩場に掛かるクサリを登る。その先のハシゴが一番怖かった。ハシゴから岩場の先に移るが足下が無い。鉄杭に脚を掛けて慎重に渡って行く。
 垂直なクサリの連続 涸沢岳
 その先にも、垂直のクサリが延々と続く。D沢のコルやオダマキのコルと少し広い鞍部があるが、休む気持ちにはなれない。最初のクサリから約50分、ガスの向こうに涸沢岳山頂が見えて来た。
 涸沢岳 穂高岳山荘
 12時25分、涸沢岳山頂到着した。本日2座めの3000m峰だ。眼下には穂高岳山荘の赤い屋根が見える。奥穂高岳から前穂高岳への吊り尾根が落ち込んでいた。
 穂高岳山荘 穂高岳山荘
 12時50分、穂高岳山荘着。北穂高岳から約3時間かかり無事到着した。山荘内は、多くの登山者が泊まっていたが、コロナ対策も万全だった。
 コロナ対策で個室 コロナ対策で個室
 特に各部屋は、新しく作ったようなパーテーションが下がっていて、まるで個室のような快適な空間で、コロナならではの山小屋生活だった。
 穂高岳山荘の夜明け 穂高岳山荘
 3日目の朝も、素晴らしい朝日から始まった。5時30分からの朝食を摂った後、6時20分に山荘を出発した。
 奥穂高岳取り付き 奥穂高岳
 目の前の急峻な岩壁に張り付き、最初の鉄の2連のハシゴを登る。朝一番の登りはキツイ!年を感じる。しかし、15分も登れば緩やかな登りになって来る。
ジャンダルム 奥穂高岳山頂
 山頂間近になると目の前には、ジャンダルムが見えてきた。昨日も西穂高岳から数名のひと達がジャンダルムを登り、穂高岳山荘までやって来たようだが、今朝も奥穂高岳からジャンダルムに向かっている人がおり、この後、ジャンダルム山頂で二人が手を振っている姿が見えた。 
 方位盤とジャンダルム 奥穂高岳山頂
 奥穂高岳に7時到着した。2005年にカミさんと登って以来の2度目の登頂だ。あの時は雨で展望は無かったが、今回は大展望だが、先が長いので15分ほどで写真を撮り前穂高岳を目指す。 
 南陵の頭 長いクサリ
 南陵の頭には5分ほどで着くが、その先は吊り尾根の長い下りに入る。スラブ状の一枚岩が欠けたような岩場が続きクサリが連続している。(下り終えて見上げている)
 岳沢から上高地 前穂高岳
 吊り尾根からは、上高地へと続く岳沢が真下に見えて来た。右には焼岳、左には霞沢岳、その向こうには乗鞍岳が見える。前穂高岳の急峻な姿が目の前に現れてきた。
 紀美子平 前穂高岳山頂
 紀美子平まで来たが、多くのザックがデポされていた。 小休止の後、35分かけて前穂高岳まで登る。やはり大展望である。
 北穂高岳からの縦走コースが見える 前穂高岳の広い山頂
 山頂の西側からは、北穂高岳から縦走した涸沢岳と穂高岳山荘、奥穂高岳までの稜線が見えた。前穂高岳の山頂は広く、テントを張った痕跡もあった。 
 滑りやすいスラブ岩 雷鳥広場
 紀美子平から直下は、滑りやすいスラブ状の一枚岩にかかるクサリを頼りに、重太郎新道を下る。20分ほどで雷鳥広場まで降りる。
 岳沢パノラマ クサリ場
 岳沢パノラマからは、直ぐ下に岳沢小屋が見える。しかし、この後小屋まで80分も掛かるとは・・・。その途中には、岩場のクサリやハシゴが待っていた。
 カモシカの立場 長いハシゴ
  カモシカの立場に11時35分。紀美子平から重太郎新道を半分以上降りて来たようだが、長い長い下りだ。やはり、随所にあるハシゴやクサリが急峻な重太郎新道を物語っているようだ。
 岳沢小屋 岳沢小屋
 12時25分、岳沢小屋までやっと降りて来た。キレイな山小屋だ。お腹が空いたので、チキンカレーを頼み展望テラスにて昼食にした。お腹を満たした後は、上高地まで2時間の下りだ。
 風穴 上高地の木道
 岳沢小屋からは、約60分、緩やかな登山道をのんびり下ると途中に風穴があった。岩の隙間から冷たい風が吹いてくる。 14時45分頃、梓川の水辺まで下って来た。上高地への自然探索路の木道が現れた。河童橋はもうすぐだ。
 河童橋 河童橋にて長野の青年
 河童橋まで戻って来た。今日歩いて来た奥穂高岳から前穂高岳への吊り尾根が見える。北穂高岳からの縦走は、天気にも恵まれて、緊張しつつも楽しい3日間だった。
 紀美子平で出会った、長野の青年は人当たりも良く、優しそうで、私のペースに合わせながら最後まで一緒に下って来て、二人で写真を取り合いながら河童橋で分かれた。ちなみに、この青年は河童橋近くの某有名ホテルに、来年就職が決まっていると、うれしそうに話をしていた。さぞかし、将来良いホテルマンになることでしょう。
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