HOME   山行記録   神奈川の山    百名山       横浜環境保土ヶ谷山歩会

 深田久弥著 「日本百名山」より、
 
黒部五郎は人名ではない。山中の岩場のことをゴーロという。五郎はゴーロの宛字で、それが黒部川の源流近くにあるから、黒部のゴーロ、すなわち黒部五郎岳となったのである。北アルプスには、ほかに野口五郎岳がある。二つの山を区別するため、黒部と野口を上に冠したのである。
    
山行状況
日程 20年8月30~31日 入山地 折立
メンバー 大島・Y 行動時間
(休憩含む)
1日目4時間10分
2日目14時間30分
コース及びタイム
30日 折立6:35-7:30アラレちゃん7:35-8:15三角点ベンチ8:25-積雪計測ポール8:35-9:50五光岩9:55-太郎平小屋10:45
31日 太郎平小屋3:00-北ノ俣岳4:45-赤木岳5:25-6:10中俣乗越6:15-黒部五郎岳の肩8:00-8:15黒部五郎岳8:50-黒部五郎岳の肩9:00-中俣乗越10:15-11:00赤木岳11:10-12:00北ノ俣岳12:05-13:25太郎平小屋13:55-15:35三角点ベンチ15:45-アラレちゃん16:15-折立17:30
    

 今年は百名山のような高い山には泊まりがけで行けないと思っていたが、色々検索してみると、開いている山小屋ではコロナ対策がしっかりしていて、キャパの50%ほどしか受け付けない。シュラフかインナーシーツ持参。その上で予約限定との小屋が多く、今回の太郎平小屋もコロナ対策がされているので、安心して泊まることにした。それでも山小屋一泊にして2日目は太郎平小屋からピストンで黒部五郎岳に登り、その日のうちに折立まで降りる計画を立て出発した。

折立駐車場 折立トイレ
 8月29日(土)16時30分頃到着した時は駐車場が満杯だったが、運良くトイレ近くに駐めることが出来た。しばらくすると県の職員らしき人が『熊が出没するので、食事や食べ物の管理は車の中で臭いを外に出さないように』と巡回していた。熊が食べ物を取って行くので、キャンプ場は閉鎖しているとの事だった。
折立登山口 愛知大学生の供養塔
 30日(日)の天気は晴れ。2年前の薬師岳の時には4時間10分で着いたので、あまり早く出発するつもりは無かったが、10時ころより雷の予報が出ていたために、6時30分には出発することにした。
アラレちゃん看板 太郎坂(アラレちゃん看板)
 前回同様、アラレちゃんの看板まで60分ほどで着いた。アラレちゃんの看板は風雪に耐えて持ちこたえているが、何年立っているのだろう。
 三角点ベンチ 積雪深計測ポール
 三角点ベンチまで登って来た。2年前は10月17日、雨が降り出し雨具を着て登り出したのを思い出していた。積雪用計測ポール辺りからは下に有峰湖が見えていた。
整備された階段 五光岩ベンチ
 積雪深計測ポールからは一旦樹林帯に入り、ベンチのある鞍部から登り出し樹林帯を抜けると展望が開け緩やかな登りとなる。2年前にも登山道は整備されていたが、今回は更に整備され歩き易い階段になっていた。9時50分五光岩ベンチに着く。目の前には薬師岳が見えるはずだが雲の中だ。晴れているが展望は良くない。
 太郎平 太郎平小屋
 天気予報では雷マークが出ていたが、10時を過ぎても大丈夫だった。太郎平を経て太郎平小屋に到着した。今回も前回同様の4時間10分、10時45分には到着した。
 太郎平小屋 太郎平小屋
 到着してしばらくはガスの中だったが、そのうちに雲が切れ晴れ間が出て来た。小屋前のベンチでは多くの登山者が食事をしたり休憩をしてくつろいでいた。
 太郎平小屋 太郎平小屋個室
 11時から小屋が開いたので、早速受付をして中に入るが、時間が早いのか誰もいません。布団もコロナでソーシャルディスタンスです。私たちは、3人用の個室に入れてくれました。いつものシーズンより、コロナ対策がしてある今回の宿泊のほうが快適に泊まれました。ちなみに今回はシュラフ持参なので直接布団には寝ません。
 黒部五郎岳分岐 北ノ俣岳
 2時30分起床、3時に出発した。外は満天の星空だ。この星空を見ていると足下が危ないので残念だが、ヘッデンの灯りを頼りに歩き出す。小屋のすぐ近くに薬師沢と黒部五郎岳との分岐があるので間違えないように真っ直ぐ進む。次の目的地は神岡新道分岐だが、足下以外見えないので登山道を真っ直ぐ進むと、いつの間にか、北ノ俣岳 に到着していた。神岡新道分岐は全く気がつかなかった。
 薬師岳から水晶岳 黒部五郎岳を正面に見る
 4時45分に北ノ俣岳を過ぎてもまだ明るくならない。5時を過ぎた頃から少しずつ薄明るくなってきた。進行方向左の北東側には山頂がゴツゴツとした水晶岳、左には赤牛岳と薬師岳が見える。真っ直ぐ前には目的地の黒部五郎岳とその左には鷲羽岳が見えてきたが、まだまだ足下がおぼつかない。
 後に薬師岳 奥に黒部五郎岳
 薄暗い中、赤木岳の岩場を過ぎ、明るくなって来てから中俣乗越への途中に後を振り返り薬師岳が見えてます。目の前の黒部五郎岳が近いです。一旦、中俣乗越の鞍部まで下ります。
 中俣乗越 黒部五郎岳の急登
 中俣乗越の鞍部に6時10分到着です。5分休憩後、いよいよここからが最後の登りです。急登の下までやって来ました。急登すぎて稜線や山頂が見えません。
黒部五郎岳の急登 黒部五郎岳の肩
 振り返ると歩いて来た赤木岳や北ノ俣岳 の稜線が長く続いています。急登も最後のガレ場です。黒部五郎岳の肩が近いです。
黒部五郎岳の肩 黒部五郎岳最後の登り
 黒部五郎岳の肩に8時でした。3時出発してから5時間丁度です。肩からは最後の急峻な登りを15分ほど頑張ります。
 黒部五郎岳 巨大なカール
 8時15分、黒部五郎岳に到着しました。水晶岳や鷲羽岳も遠かったが、ここ黒部五郎岳も北アルプスの最深部といって良いでしょう。念願の黒部五郎岳の巨大カールが目の前です。実際この目で見ると迫力がありますが、本当はこのカールの下から黒部五郎岳を見上げたかったです。真正面に水晶岳、右に鷲羽岳、左に赤牛岳が鎮座してます。
 槍ヶ岳、穂高は雲の中 笠ヶ岳から乗鞍岳
 槍ヶ岳と穂高は残念ながら雲の中です。南には笠ヶ岳、その後には先日登った乗鞍岳も見えていた。
 薬師岳と北ノ俣岳 日本百名山89/100座
 北側には、太郎平小屋から歩いて来た北ノ俣岳から赤木岳の稜線が長く続いており、右には薬師岳が見えています。黒部五郎岳で日本百名山89/100座になりました。しかし、今日は帰り道が長いので35分ほどの朝食休憩で下山です。
 黒部五郎岳カール
 黒部五郎岳の肩から巨大カールの見納めです。黒部五郎小屋も右端に小さく見えています。黒部五郎小屋に泊まれれば2時間ほどで下れるのに、これから8時間は歩きます。急坂を下り長い帰り道を急ぎます。
 赤木岳 赤木岳
 中俣乗越の鞍部に下り、いよいよ赤木岳への登り返しが始まります。大きな岩がゴロゴロと積み重なっている道を登ります。
 赤木岳 赤木岳
 赤木岳に11時です。山名標識が山頂の少し下にありましたが、往路では暗くて全くわかりませんでした。 標高の高い岩場に道があります。
 北ノ俣岳 北ノ俣岳
 赤木岳を過ぎると北ノ俣岳の稜線が見えて来ました。 南側の緩やかで易しそうな登山道を登り切ると、北ノ俣岳 までの平らかな続き、しばらく歩くと山頂のケルンが見えて来た。
 北ノ俣岳 北ノ俣岳
 12時丁度に北ノ俣岳 まで戻って来ました。目の前に見えるはずの薬師岳はガスの中なので、5分ほどの休憩で太郎平小屋まで戻る事にした。 
 神岡新道分岐 緩やかな稜線
   神岡新道分岐までは北ノ俣岳 から5分ほどで下りてきましたが、往路は全く気づかなかった。長い稜線を右から巻いて下って行く。雲が無ければ正面に薬師岳の雄大な景色が見られるはずだが。
 太郎山への稜線 太郎山への稜線
 真正面には太郎平小屋が見えて来た。太郎山から続く長い緩やかな稜線に雲の合間からの光が差し込んでキレイです。太郎山への最後の木道を緩やかに登って行きます。
 太郎平小屋 折立駐車場
 13時25分、太郎平小屋まで戻って来ました。3時に出発してから10時間25分です。小屋では有名な太郎ラーメンを食べてから下山します。下りは3時間の予定で、アラレちゃんの看板までは順調に下りて来たが、最後の下りでカミさんの脚が動かなくなったので、転けないように慎重に下りてきた。それでも17時30分と暗くなる前に無事に折立まで帰って来た。
 黒部五郎岳は遠かった。今回のピストンは、少し大変な行程になりました。それでもコロナのお陰で個室に泊まれて十分な睡眠もとれ、快適な山小屋ライフに感謝でした。
 下山後は、富山のホテルに泊まったが、GOTOトラベルのお陰で非常に安く泊まることができて、今回の山行はコロナのお陰で山小屋もホテルも、いつもの小屋泊山行に比べて非常に快適な山行になりました。
 ちなみに、富山の海鮮もビールも美味しく、下山後のご褒美に戴きました。
HOME   山行記録   神奈川の山    百名山       横浜環境保土ヶ谷山歩会  
inserted by FC2 system