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深田久弥著 「日本百名山」より、
位ヶ原まで登って、初めて真正面に、遮るもののない乗鞍岳それ自信に接する。ここからの眺めを、私は日本で最もすぐれた山岳風景の一つに数えている。まずその姿がいい、雄大で、しかも単調でない。ゆったりと三つの頭を並べたその左側が主峰である。その主峰の右肩の巨大な岩が、間延びを引き締めるアクセサリーになっている。それから前景の豊かな広がりがいい、胸の透くように伸びてコセコセしたところがない。
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山行状況 |
日程 |
20年8月18日 |
入山地 |
乗鞍高原 |
メンバー |
大島・Y
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行動時間
(休憩含む) |
3時間05分 |
コース及びタイム |
6:30乗鞍高原7:00-7:35肩ノ小屋口7:40-肩ノ小屋8:10-9:00乗鞍岳9:10-9:50肩ノ小屋10:10-富士見岳10:30-10:45畳平バスターミナル11:05-11:55乗鞍高原12:15-中央高速-横浜 |
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今回の乗鞍岳は、当初百名山の100座目にみんなで登ろうとしていた山だったが、7月の長梅雨やコロナ禍で南アルプスの山小屋は休業となり、開業していても小屋泊まりのリスクも考えて、登山どころではない雰囲気の夏のシーズンとなっていたので、とりあえずリスクの少ない日帰りが出来る百名山を登ることにした。 |
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久しぶりに夜中のドライブで日帰り乗鞍登山をすることにした。2時、横浜を出る。16号の橋本から相模原IC、そして中央高速に乗る。諏訪湖あたりで明るくなり、松本ICから乗鞍高原を目指す。
乗鞍高原バスターミナルには6時30分ころ到着した。快晴の乗鞍高原は清々しい空気で18℃だった。横浜の連日の35℃越えからは考えられないほどの快適さだ。 |
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乗鞍岳山頂には雲一つ無く、今日の登山は保証されたようだ。するとタクシーの運転手が声を掛けてきた。あと二人捜して4人で行かないか『次のバスは8時発だが、7時には出発するよ』と、近くにいた千葉の夫婦と一人2000円でタクシーに乗り走り出す。 |
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バスは畳平バスターミナルまで行くが、4人は肩ノ小屋口で下ろしてもらい、7時40分から登り出して行く。私が持っている昭文社の古い地図(2001年版)では、この辺りは大雪渓となっており登山道も雪渓の真ん中を歩くようだが、ここから見える限り雪渓はかなり小さくなっている。 |
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大雪渓は無かったが登山道の廻りには、可憐な花々が咲いていた。ヨツバシオガマのようだ。 |
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イワギキョウやミヤマアキノキリンソウも咲いていた。 |
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ウサギギクもある。登山道の後には八ヶ岳?だろうか雲海の上に見えていた。朝日を背に浴びながらお花畑のような登山道を登る。 |
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肩ノ小屋口からは30分かかり肩ノ小屋に8時10分到着した。小屋前のベンチには数組の登山者がのんびりしていたが、乗鞍高原6時発のバスで来た登山者のようだ。その横には剣ヶ峰口との標識がある。山頂への登山口だ。 |
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しばらく登り振り返ると、肩ノ小屋の上、摩利支天岳山頂には、乗鞍コロナ観測所の建物が見える。細かい石がザレ場となり歩きにくい。 |
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朝日岳を回り込んで登って行くが、ザレ場の上には大きな岩がゴロゴロとした登山道だ。登り切り緩やかな場所まで来ると青い水面をした権現池が見えて来た。 |
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その先は蚕玉岳だが木製の山名標識は、風雪で消え入りそうなほどでした。蚕玉山からは緩やかに登って行きます。 |
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山頂直下には、こじんまりとした乗鞍岳頂上小屋があり、その上には乗鞍神社のある乗鞍岳山頂です。神社裏には大勢の若い登山者たちがコロナも忘れたように大声で話し込んでいた。 |
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9時乗鞍岳山頂到着です。乗鞍神社前はそれほど広くない山頂です。88/100座目で今年最初で最後?の百名山です。山頂は薄ら寒いほどで下界の猛暑、酷暑とは無縁です。 |
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剣ヶ峰正面には御嶽山が目の前に鎮座してます。肩ノ小屋方面の背後には槍ヶ岳と穂高がくっきりと見えてます。 |
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東南方面には南アルプスが見えるはずですが、逆光をあびて雲だか山だかよくわからない。西側には権現池、その向こうの雲の下は飛騨高山方面のようです。 |
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山頂は狭いので10分ほどで下山した。肩ノ小屋まで戻り、11時発のバスの時間を見ながら20分ほどのコーヒータイムを摂り出発。 |
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肩ノ小屋からの道は舗装されてはいないが車が走れるほどの広い立派な道だ。不消ヶ池が見えてきた。次は目の前の富士見岳に向かう。 |
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富士見岳も大きな木もなく荒涼とした感じの山だったが、途中にカミさんが『コマクサがある』と叫んでいる。よく見るとコマクサがあった。多くはなかったがまだ枯れてもなくしっかりとした花を付けていた。 |
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10時30分、富士見岳まで登って来た。畳平のバスの時間が11時なので慌てて下山するが、ザレ場の下山はカミさんが苦手(昨年の韓国岳ザレ場で右手骨折)で下山に慎重なのだ。 |
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10時45分、大きく広い畳平バスターミナルまでやってきたが、バスの乗車券は11時頃の乗車時に支払うとのことで、慌てて下山しなくてもよかったようだ。大きくキレイなトイレもあった。 |
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登山者以外の観光客もいたが、肩ノ小屋辺りまで散策するのだろうか、乗鞍岳や雲海、きれいな空気があるが、元気でないと先に行くのは大変だ。バスで登って来ると建物脇から一旦下り肩ノ小屋を目指すことになる。
今日は、快晴の登山となり清々しい空気を浴びて、下界の猛暑・酷暑を忘れる一日となったが、日帰りのため夕方には、熱帯夜の横浜まで戻らねばならない。帰りたくないと思う乗鞍高原の涼しさだった。 |
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