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 深田久弥著 「日本百名山」より、
 中央アルプスも北半分に主峰駒ヶ岳があって、多くの登山者で賑わうが、南半分を訪れる人はぐっと少なくなる。その南半分の最高峰が空木岳である。登山者というロマンチストは美しい山の名に惹かれる。心の中に、まだ訪れたことのない、しかしその美しい名前だけは深く刻み込まれている、いくつかの山を持っている。
 私にとって、空木岳はその一つであった。空木、空木、何というひびきのよい優しい名前だろう。もし私が詩人であったらなら、空木という美しい韻を畳み入れて、この山に献じる詩を作りたいところだ。

山行状況
日程 2019/9/14-15 入山地 千畳敷
メンバー 大島・Y
行動時間 14日 8時間30分
15日 8時間40分
コース及びタイム
14日 バスセンター5:20-しらび平6:05-6:15千畳敷6:30-7:05極楽平7:10-8:30濁沢大峰8:35-10:15檜尾岳10:30-11:30昼食休憩12:00-熊沢岳12:45-東川岳14:35-木曽殿山荘15:00
15日 木曽殿山荘5:45-第1ピーク6:45-7:30空木岳8:00-駒峰ヒュッテ8:10-駒石8:35-避難小屋分岐9:05-大地獄10:30-マセナギ11:35-12:10池山水場12:25-タカウチ場13:00-林道終点13:20-14:20菅の台バスセンター14:40

 8月のトムラウシ山では、カミさんのトレーニング不足で大変な山行になってしまったが、体調も戻り天気も良さそうなので、空木岳の縦走に出かけた。ロープウエイで千畳敷まで登り、長い稜線を歩き始めたが、思っていたより岩稜帯でアップダウンも多く長く厳しい稜線歩きになっていた。それでも快晴の中、雲海を下に見ながら楽しい稜線歩きでもあった。

菅の台バスセンター 千畳敷駅
 菅の台バスセンターには、前日の13日(金)に入り車中泊をした。夕方には閑散としていた駐車場も夜中には、ざわざわとうるさいほどの話し声が止むこともなく朝まで続き、4時頃目を覚ますと、すでにバスに乗り場のベンチにはザックがズラリと鎮座しているではないか、慌てて飛び起きザックだけ列に並ぶ。
 5時前には臨時のバスが出て、5時20分頃のバスに乗れた。しらび平からロープウエイに乗り千畳敷駅までやって来た。
極楽平 空木岳への長い稜線歩き
 千畳敷駅を6時30分発。極楽平に7時5分到着した。いよいよここからが長い長い稜線歩きの始まりです。稜線の遙か彼方には今日目指す空木岳が快晴の青空の下、凛と佇んでいます。
濁沢大峰
 私たちの前後には、同じように空木岳を目指して歩き出して行く多くの登山者がいます。目の前には最初の岩峰、濁沢大峰が見えて来ましたが、最初から予定時間をオーバーしてます。
 三ノ沢岳 岩場の稜線
 濁沢大峰で休んでいると目の前には、標高2,846 mの日本で46番目に高い高峰でもある三ノ沢岳の存在感が大きく迫ってきます。のんびり休んではいられません。この先にも岩峰鋭い稜線が続いているので前に歩き出します。
岩場の稜線
 岩稜帯の中を進むので、クサリ場はありがたいが、あまりありませんでした。この岩場を越えて先に進みます。
 岩場の稜線歩き
 100mから200mほどのアップダウンが続いています。ひと山越えて又越えてと、思っていたより険しい道が続きます。
  檜尾岳
 檜尾岳が目の前にやって来ました。振り返ると濁沢大峰からの稜線が深く落ち込んでいるのがわかります。登り返しも大変でした。檜尾岳まで濁沢大峰から約2時間かかりました。10時15分到着して15分休憩
 檜尾岳と檜尾避難小屋 檜尾岳
 檜尾岳から東には檜尾避難小屋が見えていて15分ほどで行けそうです。その向こうには南アルプスの稜線が見えます。これから南下する空木岳は稜線の遙か彼方、遠くに見えます。
  岩場の難所
 次の熊沢岳までは、大きな岩場があり難所が続いていました。この大きな岩の登りでは、手がかりも少なく時間がかかり難儀しながら登る登山者の様子を見ながら昼食休憩に入りました。腹が減っては難所も登れずと、30分ほどの休憩の後、この岩場をやっと登って行きましたが、CTを大幅にオーバーして熊沢岳までたどりつきました。
 熊沢岳 雲海
 熊沢岳に着く頃には、12時も過ぎガスが湧いてきて展望が全く無くなりましたが、しばらく登ると西の彼方には青空も出てそれは見事な雲海が広がっていました。
 東川岳 木曽殿山荘
 しかし、東川岳が近くなるとガスも広がり、目の前に見えるはずの空木岳が見えません。目標が見えないと疲れも倍増してきます。東川岳に8時間かかりやっと到着した。あとは木曽殿山荘まで30分の下りです。
 木曽殿山荘 木曽殿山荘
 15時、木曽殿山荘に着きました。長く険しい道でしたが無事今夜の宿にたどり着き一安心です。宿泊場所は2Fの大きな部屋で皆さん寝ることになります。明日の昼食用の水は、10分ほど下った義仲の水場まで汲みに行きました。
 快晴の3連休となり、この部屋も満杯で布団1枚に2人で寝ることになったが、私とカミさんの両隣が大イビキをかき、夜中の12時頃まで一睡も出来ず、(両隣は朝までぐっすり寝て起きない)寝不足の一夜となりました。
空木岳に出発 空木岳に出発
 5時の朝食後、目の前の急登を空木岳に向けて出発です。今日も快晴の中の登山です。
第1ピークから第2ピークを望む 第2ピークまで岩場が続く
 第1ピークまで60分、6時45分到着です。先に見えるのは第2ピークで空木岳はその先にあります。第2ピークまでも岩場の間を縫うようによじ登っていきます。
 第2ピークまで岩場が続く 空木岳山頂
 険しい岩場の第2ピークを経て、7時30分に空木岳に到着しました。快晴の下、山頂では多くの登山者が歓声を挙げていました。360度の展望とはこのことを言うのでしょう。
 駒峰ヒュッテと八ヶ岳 南アルプス 甲斐駒ヶ岳から北岳、間ノ岳
 東には、駒峰ヒュッテを眼下に見ながら雲海の先に八ヶ岳が見え、南側に目を向けると甲斐駒ヶ岳から北岳、間ノ岳、更に塩見岳から富士山もその脇から顔をだしていた。
 御嶽山と乗鞍岳 空木岳 86/100座
 西側には、御嶽山から乗鞍岳が遠くに見える。今回も時間がかかり大変な登山だったが、空木岳で86/100座となりました。 
 駒石
駒石
  8時下山。駒峰ヒュッテから駒石を目指す。雲海を下に見ながらの稜線歩きは素晴らしい景色だ。ブロックを積み上げたような駒石は古代の神殿のようで見事に治まっている。
 大地獄 大地獄
  避難小屋との分岐辺りからは樹林帯に入って行く。しばらく下ると、木段やワイヤー、クサリの下りとなって来る。大地獄や小地獄のようだ。どこからどこまでが大地獄か小地獄かはわからなかった。
 マセナギ 池山水場
  大地獄の難所を過ぎると普通の登山道となり、マセナギの看板辺りでは登り下りの登山者たちが休憩を取っていた。私たちは池山の水場まで先を急ぐ。池山の分岐から登山道へ左折して下り池山水場まで来た。
 池山水場 林道終点
 池山水場では、大きな丸太の水桶に勢いよく水が流れていて、冷たい水で顔を洗い生き返るほど気持ちよかった。15分ほど休憩を取ってから下山した。水場から55分、緩やかな登山道を下り林道終点の広場まで来ました。
 スキー場駐車場 菅の台バスセンター
 林道終点からは、狭い登山道をクネクネと曲がりながら50分、スキー場の大きな駐車場まで降りて来ました。14時20分、菅の台バスセンターまでは舗装された道を歩き帰って来ました。
 帰り際には、バスセンター隣にある「こまくさの湯」にて、露天風呂の心地よい風を浴びながら2日間の疲れを取り、帰ることにしましたが、連休中の日曜で、勝沼や小仏トンネルの渋滞もあり21時頃の帰宅になりました。
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