|
|
深田久弥著 「日本百名山」より、
トムラウシを眺めて初めて打たれたのは十勝岳からであった。美瑛富士の頂上から北を見ると、尾根の長いオプタテシケの彼方に、ひときわ高く、荒々しい岩峰を牛の角のようにもたげてたダイナミックな山がある。それがトムラウシであった。それは私の心を強く捕らえた。あれは登らなければならぬ。私はそう決心した。
|
山行状況 |
日程 |
2019/8/26 |
入山地 |
トムラウシ
登山口 |
メンバー |
大島・Y
|
行動時間 |
15時間10分
|
コース及びタイム |
トムラウシ山短縮登山口4:00-温泉分岐4:25-5:15カムイ天井5:20-7:15コマドリ沢出合7:20-8:15前トム8:25-トムラウシ公園9:05-南沼キャンプ分岐10:15-11:05トムラウシ山11:30-南沼キャンプ分岐12:00-トムラウシ公園13:00-前トム13:50-15:00コマドリ沢出合15:05-カムイ天井17:30-トムラウシ短縮登山口19:10 |
|
|
|
5月の九州山行で、カミさんが手首を骨折するというアクシデントがあり、その後3ヶ月は治療・リハビリで過ごしていた。当初予定では、7月に第2次北海道遠征を予定していたがキャンセル、8月後半に変更して今回のトムラウシ山まで来たが、治療・リハビリでカミさんのトレーニング不足を心配しながらのトムラウシ山挑戦となった。
当日は、雨の日を避けて晴れ間の予報を見ながらの登山だったが、予報が外れて雨やガスになり、更にトレーニング不足で脚が動かず、大変な一日となってしまった。 |
|
|
|
8月25日の午後にトムラウシ短縮登山口まで入る。30台は駐められそうな大きな駐車場である。太陽光を背負ったバイオトイレが真ん中に設置されていた。
25日午後は晴れていたが、天気予報は雨で良くないために、帰ってきた登山者に話を聞くと「朝から小雨がふり山頂では雨風共に強く大変だった」とのことで、26日の登山にして正解だと思っていたが・・・。 |
|
|
26日はヘッデンを点けて登り出すために、明るいうちに登山口から先を確認して来た。そして26日は夜明け前の4時から登り出す。トムラウシ温泉分岐を経て更に登る。 |
|
|
カムイ天井までの道は、緩やかに登っておりヘッデンを点けて登っても安心して登れるほどの道だった。30分も登ると夜明けとなり、しばらく行くとカムイ天井の少し開けた場所まで来る。 |
|
|
カムイ天井からは高い樹木のない、木道が整備された尾根道をしばらく歩いていく。雲が多いが虹が出てきた。天気の良い兆候だと喜んでいたが、とんでもなかった。(帰宅後にテレビで放送されていたが、『朝に虹は雨』とのこと)まさしくその通りになってきた。この尾根道の後半は泥んこ道となり大変だった。 |
|
|
泥濘の道辺りからは細かい雨が降り出す。レインウエアの上だけ着てコマドリ沢出合まで来た。ここまで3時間15分かかる。 |
|
|
コマドリ沢出合からは沢の流れを左に見ながらの登り坂となり、30分ほどで岩稜帯が現れる。ナキウサギの声がするので撮影しようとカメラ片手に登山者が立ち止まっていた。 |
|
|
カミさんは岩稜帯が苦手で、大きな岩の上をうまく歩けない。したがって時間がかかり体力を消耗しながら、前トム平まで来た。この辺りからガスが濃くなり視界が30mほどだろうか。雨風で寒くなり、カミさんはダウンをレインウエアの下に重ね着するが、寒くて指がかじかんでダウンのチャックがうまく閉まらないほどの寒さだ。 |
|
|
前トム平から先の岩稜帯にも手こずりながら、トムラウシ公園が眼下に見える所まで来た。しかし、ガスのためトムラウシ公園全景がわからないほどだった。トムラウシ公園道標まで降りて来たが、雨は降りガスは濃く、前を行く学生たちはレインウエアも着ないで大きく重い荷物を担ぎあえぎながら登っていた。 |
|
|
トムラウシ公園からひと登りするとゴジラの背中のような奇岩が現れるが、トムラウシ山が見えない。いつまで登るのか先が見えずに疲れが増すばかりで、カミさんの足取りが遅くなるばかりだ。 |
|
|
それでも、トムラウシ公園から50分ほどで南沼キャンプとの分岐まで来た。ここまでくれば山頂へ30分で行くだろうと思っていたが、最後の登りが辛く20mもありそうな強風も吹く中、50分もかかって、念願のトムラウシ山頂にたどりついた。出発から7時間もかかった。 |
|
|
トムラウシ山は、大きな岩ばかりで落ちつく場所が無いほどの山頂であった。強風が吹き抜けていた山頂直下とは違い、全く風が無いが展望も無い。落ちついて昼食のパンを食べて写真を撮る。しかし、帰りも長く大変なので20分ほどの休憩で早々に下山した。 |
|
|
下山途中に青空が出てきた。トムラウシ公園をトムラウシ山側から撮影出来た。紅葉の時期には写真を撮るだけでここまで来る人がいるようだ。トムラウシ公園からは、一つ目の登り返しがある。 |
|
|
トムラウシ公園の東には未だに雪渓が残っていた。この登り返しが少しづつ脚に来ているが、頑張って登る。前トム平が見える場所には幾つもの大きなケルンが立っていた。その後ろにはトムラウシ山がガスの中から顔を出して来た。 |
|
|
前トム平はこんな感じの平らな場所でした。登る時にはガスのため見えなかった。前トム平したの岩稜帯では、エゾリスだろうか、花を食べていたが全く逃げない。ナキウサギも数回姿を見たが、こちらは写真を撮る暇もなく、岩の間の隠れてしまい鳴き声ばかりが聞こえていた。 |
|
|
岩稜帯を下り、コマドリ沢出合まで降りて来た。カミさんは5月の骨折以来のトレーニング不足がたたり、精も根も尽き果てたようで、コマドリ沢からの二つ目の登り返しが厳しかった。 |
|
|
登り返しをやっと登った先には泥んこだらけの道が延々と続く。長い尾根道の半分は泥濘の道で、除けてもはまっても体力が消耗してきた。木道に出てきても体力は戻らない。足取りが重く歩幅が狭い。 明るいうちに登山口まで帰りたいが・・・? |
|
|
カムイ天井まで帰って来たが、まだ明るい。しかし、登山口までの緩い下りを降りるうちに暗くなってきて、最後はヘッデンを点けて登山口まで帰って来た。長い一日でした。やはりトムラウシは厳しく、トレーニング不足で挑戦出来るほどの山ではなかったと反省の一日でした。それでも無事に登山できたので感謝の一日でもありました。
下山後に、国民宿舎東大雪荘に飛び込みで宿泊できたので、車中泊と違い風呂に入り布団で疲れた体を癒すことが出来ました。ちなみに翌日は晴天で、山の上まで青空が拡がっていたようです。 |
|