深田久弥著 「日本百名山」より、 焼岳は付近の群雄に比べたら、取るに足らぬ小兵かもしれぬ。だがこの小兵は他に見られぬ独自性を持っている。まず、日本アルプスを通じて唯一の活火山である。頂上から煙が上がっている山はほかにない。 それから小兵の分際で、梓川の風景を一変した。その爆発で大正池を作り上げたのである。人はよく「国破れて山河あり」という文句を引いて自然の不変を説くが、一挙にしてあの大きな変貌をおこした焼岳の潜勢力は偉大である。 |
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4年前、カミさんと一緒に日本百名山を登る事を目標にしてから、今回の焼岳で60座となった。「雨の日は登らない。大変な山はいやだ!」等々言いながらも、なんとか60座を登る事が出来ました。しかし、残りの40座は南北アルプスの大変な山々や北海道の山も残っているので、どこまで頑張れるか分からないが、あとはお楽しみとでも言うべきか。 | |||||||||||||||||||||
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前日18日に横浜を出る。沢渡のトイレと足湯のある大きな駐車場に19時頃到着し車中泊をした。 朝6時頃、沢渡から15分ほどで新中ノ湯登山口まで来るが、すでに10台ほどの車が駐まっていた。コンクリートの切れ目のカーブになっている場所が焼岳登山口となっていた。 |
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登山口の標識が小さい、車が駐まっていないと通りすぎてしまうほどの目立たない登山口である。 | |||||||||||||||||||||
登山口の脇に、焼岳火山情報が、赤い看板で出ていた。「現在の噴火警戒レベルは1です」つまり平常だそうですが、気象庁のホームページによると『レベル1(活火山であることに留意)』ということです。 | |||||||||||||||||||||
登山道を登り始めた辺りには、少しの紅葉が残っていました。 | |||||||||||||||||||||
しかし急登になり始めるころには、紅葉する木々は無く針葉樹林となっていました。 | |||||||||||||||||||||
急登が続いているばかりでは無く、緩やかなに登って行く。 | |||||||||||||||||||||
1時間30分もすると森林限界も近いのか、青空も見え焼岳の南峰と北峰が木々の向こうに見えてきた。 | |||||||||||||||||||||
7時50分、広場らしい場所に出る。ここからは白樺林かダケカンバの林の向こうにそびえる双耳峰が青空の中に浮かんできた、 | |||||||||||||||||||||
広場から10〜15分で沢沿いの開けた場所に出た。下堀沢出合のようだ。そして、森林限界のようである。 | |||||||||||||||||||||
下堀沢出合からは、笹原が続く急登となって来た。私たち前後の登山者達も休み休み登っている。 | |||||||||||||||||||||
笹原を過ぎると、大きな岩がゴロゴロとしたカールを登る。その先からは硫黄の臭いも風に乗ってやってくる。火山の噴気口から白い噴気が勢いよく立ち上がっている。 | |||||||||||||||||||||
乗越まで登ると目の下には正賀池、その上の噴気口からは真っ白い噴気が出ているが、大勢の登山者たちが噴気口を覗き込んでいる。 |
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噴気口を右に回り込んで行くと、山頂には登山者がいた。こちら側にも噴気口があり硫黄の噴気で岩肌が黄色くなり、活火山だということを認識させられる。 | |||||||||||||||||||||
北峰はカーブの緩いお椀を伏せたような山頂であった。20名ほどの登山者は食事を摂るなり休んでいたが、私たちは硫黄の臭いがキツイので食事は下山してから食べる事にした。 | |||||||||||||||||||||
今回の登山も快晴である。この夏は台風も多く山に登る日を選ぶのも大変であったが、やはり晴天、快晴の日の登山は気持ちが良く登る苦労はすっかり忘れていた。 | |||||||||||||||||||||
目の前には、穂高の山々がそびえ立ち雄大な景色である。上高地も眼下に見える。梓川を挟んで河童橋辺りや上高地帝国ホテルの赤い屋根が見えていた。 ただ残念なのは、奧穂から槍ヶ岳が雲に隠れて見えなかった。それでもカメラを抱えてじっと槍、穂高を眺めて待っている人達が何人もいた。 |
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南側には、立ち入り禁止の南峰と正賀池が見えるが、噴気が勢いよく立ち上がりなかなか見えなかったのだが、帰り際に風向きが変わり一瞬見えたのでカメラを向けた。 | |||||||||||||||||||||
あまりにも天気が良いので景色も見飽きないが、硫黄の臭気も気になるので下山することにした。 | |||||||||||||||||||||
12時10分。下山は2時間ほどで登山口まで降りて来た。駐車場は溢れており、路肩の広い所も満杯の状態でした。 | |||||||||||||||||||||
駐車場の下にある中ノ湯温泉にてお風呂に入る。旧道にある古くひなびた温泉のイメージで来たが、なかなか大きくキレイなホテルであった。(入浴料600円、ボデーソープやシャンプーも備えてある) 男風呂の露天風呂からは、穂高が目の前に見えていて、近くの山々では紅葉が残り、のんびりとした温泉を堪能した。 その後、明日は恵那山に登るために、松本に向かう野麦街道から塩尻を経て153号線を下る。 |
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焼岳−恵那山 |
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