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赤石岳山頂

 深田久弥著 「日本百名山」より、
 その頂上に私が立ったのは10月の末だった。雲の切れ間にしばらく富士山が見えたほか、広い展望は得られなかったが、それでもなんとなく1時間もいて、なお去りがたい頂上であった。大聖寺平の方へ下りかけると、稜線の東側は一面の雲海で、その白い気体の上にブロッケンが浮かび、それがずっと小赤石へ下り着くまでつづいた。小赤石から振り返った赤石岳頂上の白雲を吹きつける風のなかに立った毅然とした姿は、今もって忘れられない。

    
山行状況
日程 2014/8/19〜20 入山地 椹島ロッジ
メンバー 大島・Y 行動時間 19日10時間50分
20日2時間50分
コース及びタイム
19日-千枚小屋5:00-二軒小屋分岐5:20-千枚岳5:45-丸山6:40-7:15悪沢岳7:30-中岳避難小屋8:35-中岳8:45-縦走路分岐8:50-9:40荒川小屋10:15-大聖寺平10:45-11:50小赤石岳の肩12:00-小赤石岳12:20-椹島分岐12:30-12:55赤石岳13:10-椹島分岐13:30-砲台休憩所14:15-富士見平15:20-赤石小屋15:50
20日-赤石小屋5:40-歩荷返し6:15-樺段7:05-8:30椹島ロッジ10:30-畑薙ダム臨時駐車場11:40-11:50赤石温泉・白樺荘13:00-新静岡IC15:00-横浜17:10
    
悪沢岳・赤石岳地図

 南アルプスの南部は、登るのはもちろんアプローチも含めて非常に難儀な山の印象があり、なかなか登る気がしなかったが、百名山を目指す上で、大変な山ほど体力のあるうちに登らなくてはと思い、今回の悪沢岳・赤石岳登山にチャレンジすることにした。

 深田久弥氏によると、北アルプスは飛騨山系、中央アルプスは木曽山系、南アルプスは赤石山系と呼ぶらしい。ということは、南アルプスは、北に甲斐駒ヶ岳・仙丈岳から南部の聖岳・光岳までの大きな山塊の中心が、この赤石岳となるようだ。

赤石岳を望む  悪沢岳にて休憩を取った後、いよいよ後に見える赤石岳を目指すことになる。
 悪沢岳の山頂では、ガスの中であったが、少し下った所からは、山頂がガスに覆われてはいたが赤石岳の凛々しい姿が見られるようになって来た。

左に赤石岳、右は中岳
 中岳の山頂には、中岳避難小屋が見えて来ました。 中岳
 悪沢岳を振り返る  悪沢岳の鞍部を過ぎて中岳の下から、悪沢岳を振り返って見ています。南アルプスの雄大な景色です。
 中岳避難小屋に、8時35分悪沢岳から約1時間かかりました。
 避難小屋といっても管理人がいるようで、皆さん中に入ってくつろいでいました。
中岳避難小屋
中岳山頂  更に5分で荒川中岳山頂です。まだこの辺りでは、うっすらと展望があります。
 ザックが沢山置いてあるが人がいない、最初はどこへ行ったのだろうと思っていたが、目の前が前岳でした。荒川小屋との分岐に出てきました。 荒川小屋分岐
荒川小屋と赤石岳  私たちは、前岳には登らず荒川小屋へと下って行きました。赤石岳が目の前にそびえ立ちますが、やはり山頂はガスの中となっています。
 荒川小屋が見えて来ました。
 分岐からは下ってくるとお花畑を過ぎ、ダケカンバの林が見えてくると荒川小屋です。この小屋もキレイな小屋で多くの登山者が休憩していました。
 水場は3分ほど下った所にあり、音を立てて流れていました。
荒川小屋
大聖寺平へのトラバース  荒川小屋では30分ほど休憩してから、いよいよ赤石岳を目指します。
 荒川小屋からは10分も登ると森林限界を過ぎて、緩やかな道をトラバースしながら大聖寺平まで登ります。
 大聖寺平は一面のガスの中でした。なんとか登山道が分かりましたがもう少しガスが濃くなってくると道を迷う可能性もありそうです。 大聖寺平
小赤石岳  ガスのため何処が山頂だか分からない。いつまでたっても、山頂にたどり着かないと、カミさんは何度も「もう歩けない」と根を上げていて、足が停まりなかなか進まない。

それでもなんとか小赤石岳までやってきました。
 椹島との分岐に到着した。ここでも多くのザックがデポされていて、ここから赤石岳だけまでは25分となる。 椹島分岐
赤石岳山頂  赤石岳山頂です。やはり展望がありません。みんな山頂で写真を撮るとさっさと下山してしまいます。
 私たちも苦労して登って来たのだからと、しばらくのんびりしていましたが、15分ほどの休憩で下山することにしました。
 ザックをデポした分岐まで戻ると、ここにも雷鳥の親子連れがいました。ここの雷鳥も4匹の子供を連れていました。 雷鳥
赤石のコルから下る  分岐からは、目もくらむほどの急斜面を下って行きます。
 お花畑を見ながら北沢厳頭の急斜面を一気に下ると、右に沢が流れている場所に出ます。その下には砲台休憩所がありました。
砲台休憩所
富士見平への桟道  地図上は、砲台休憩所から富士見平まで、ラクダノ背をトラバースして1時間と書いてあるので、水平移動に近いのかと思ったら、案外大変な道で、場所によっては、狭く危なく、桟道を登ったり下ったりしたので、カミさんは非常に疲れ果てていました。
 富士見平へ最後の登り坂を登ると、広い展望良い富士見平に到着しました。
 眼下に今夜の宿、赤石小屋が見えて来ました。あと30分下ると今日はもう歩かなくてもいいのです。
富士見平
赤石小屋  やっと赤石小屋に到着しました。先着している人達は、目の前のテラスにてビールを飲み、山を肴にした登山談義をしています。
 今日は、5時から歩き出して、15時50分到着。10時間50分のロングトレイルでした。3000m峰を正味10時間ほどの歩きは、八ヶ岳の阿弥陀・赤岳・横岳・硫黄岳の9時間縦走以来のロングトレイルで、よく頑張りました。
 千枚小屋よりはこじんまりしてはいるが、この小屋も新しくキレイで、女性には評判が良かった。 赤石小屋室内
聖岳が目の前  夕方、テラスからの正面には聖岳が見えています。あの山にも登りたいですね。
 翌朝、20日の赤石岳です。昨日のガスはどこかに行って素晴らしい快晴です。
 私たちは、残念ながら朝食のあと下山です。
早朝の赤石岳
 悪沢岳の稜線  赤石小屋の展望台から見た悪沢岳です。本日歩く人達は3000m峰の最高の稜線歩きが楽しめそうです。
 5時40分に赤石小屋を出る。10分ほど水平移動してからは、大きな岩がゴロゴロとしている急な斜面を下って行きます。
 30分ほどで歩荷返しの指標のある場所に出てきました。ここからは、緩やかな下りとなります。
歩荷返し
樺段  樺段に7時過ぎです。カミさんもそれまで元気に下って来ましたが、少し脚にきているようで「膝が笑いだしてきた」と休憩を取ることにしました。
 最後の鉄の階段まで降りてきました。8時25分、2時間45分でここまで来ました。 鉄の階段
 椹島ロッジ  椹島ロッジに8時30分帰って来ました。次のバスは10時30分発で、2時間もあります。
 5時の食事を食べないで降りてきた人達は、8時の椹島ロッジ発のバスに乗って、帰って行ったようです。小屋からの時間は普通は3時間30分と書かれていたのですが、3時間かからないのがわかりましたが…。次に来るときの参考まで。
 畑薙ダムの臨時駐車場から10分ほどにある、赤石温泉・白樺荘の日帰り温泉に入りました。露天風呂からは南アルプスの山々を見ながらのんびりお風呂に入り、汗を流してから横浜への帰路につきました。  赤石温泉・白樺荘

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