深田久弥著 「日本百名山」より、 宮之浦岳の頂上に立った。頂上の近くは30センチほど雪が積もっていた。見渡す限り山ばかりで、その向こうは海である。いままでどこか深い山の中を歩いている気がしたが、頂上から取り巻く海を眺めて初めて海の真ん中にある島にいるんだと悟った。宮之浦岳は海岸のどこの村からも見えない。したがってこの頂から見えるのは山と海ばかりである。 |
|||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||
屋久島はみんなに聞いても1度は行ってみたい山、そして、縄文杉を見てみたいと誰でも言う。やはり私たちもご多分にもれず行きたい思いが募り行ってきました。 3泊4日のフリープランで飛行機とフェリーと3泊の民宿であったが、案外安く行くことが出来た。 今回の縦走は、ひと月に35日は雨が降ると言われている屋久島で心配はしていたが、天気にも恵まれて素晴らしい山行となりました。特に、縄文杉や夫婦杉、ウイルソン株等の圧倒的な屋久杉、そして、緑あふれる白谷雲水峡は、そこにいるだけで大自然の息吹を感じるほどであった。 |
|||||||||||||||||||||
9月23日、羽田から屋久島へ直行する飛行機がないため、羽田発のANAにて鹿児島空港まで行く、そこからリムジンバスにて鹿児島港のある鹿児島市内に到着する。 屋久島フェリーのロケットにて屋久島まで2時間と速かった。(従来の屋久島フェリーは4時間もかかっていたらしい) 鹿児島港から見た桜島 |
|||||||||||||||||||||
屋久島港に午後14時過ぎに到着する。15時、宮之浦の民宿に到着してお泊まりする。 | |||||||||||||||||||||
翌日24日の朝、4時起床、夜明け前の5時タクシーにて一路、淀川登山口まで1時間かかる。 淀川登山口の手前、まだ薄暗い中に紀元杉と出会うがシルエットでの出会いでした。 |
|||||||||||||||||||||
淀川登山口を6時スタートする。 しばらくは、屋久杉の原生林(世界遺産)の中をを登ったり下ったりしながら淀川小屋を経て花之江河(1600m)に8時45分に到着する。 日本最南端の高層湿原、屋久島ならでの希少な高山植物、多品種のコケが多い。 |
|||||||||||||||||||||
投石平には9時30分到着する。 今回は夫婦二人での縦走登山だが、高低差もそれほどないため、のんびりとしたペースで登ってきた。 原生林の中に突如として現れた花崗岩の巨岩がうねる、まさに平らな場所であり休憩、お弁当スポットです。 |
|||||||||||||||||||||
投石平から約1時間登った10時30分。翁岳を過ぎて宮之浦岳への縦走路には次々と登場する巨岩・奇岩のオブジェはさすがの世界遺産である。 | |||||||||||||||||||||
栗生岳(くりおたけ)が見えてきた時は、ここが宮之浦岳の山頂かと思い、ひと安心したが間違いでした。この巨岩の向こう、更に10分ほど登った先となっていた。 | |||||||||||||||||||||
宮之浦岳山頂に11時10分到着する。淀川登山口から5時間かかりました。 屋久島のほぼ中央、奥深い原生林の最深部にそびえ、普段は雨雲のベールにつつまれている宮之浦岳も、青空の中素晴らしい天気に恵まれて、快適な登山となっていた。 |
|||||||||||||||||||||
宮之浦岳山頂から見た、永田岳です。 「ひと月に35日も雨が降る」と言われている屋久島もこの時は快晴で夏のような雲が出ていました。 |
|||||||||||||||||||||
山頂に30分ほど休憩した後、新高塚小屋方面に下って1時間ほどたった所から見た、屋久杉の原生林とガスがかかり始めた永田岳です。 | |||||||||||||||||||||
新高塚小屋には第2展望台を経て14時到着する。 小屋の前のテラスは思ったより広くピーク時にはここにテントを張る人たちもいるようです。 宿泊は無料であるが、もちろんシュラフや食料は自分で持って行かないといけない。それでもトイレや水場はある。 |
|||||||||||||||||||||
小屋の中は案外広くきれいで(ホコリ等はあるが)ピーク時には60人も泊まれるようである。 この日は30人ほど泊まっていたが上にも泊まれるので余裕の宿泊であった。 |
|||||||||||||||||||||
ヤクシカは登山中にも道をふさいでいて、人を警戒する様子があまりないが、小屋の前で食事の支度をしているとここにも出て来た。特に食事のおこぼれを待っているかのように目の前まで、足下まで寄ってきていた。 | |||||||||||||||||||||
翌日25日、5時45分、まだ暗い中ヘッドランプにて足下を照らしながら新高塚小屋を出発した。 6時50分高塚小屋に到着する。この小屋はカビくさく20人も泊まるといっぱいになるような小さい小屋である。その上、水場が無い!地図には有ると書いてはあったが? ここに泊まった人たちは10分ほど下ったところまで水をくみに行ったとのこと。 |
|||||||||||||||||||||
〜 |
高塚小屋からはすぐ近くにある、縄文杉にたどり着いたのは7時。 展望テラスでは、朝早いため10人ほどしかいなかったので、のんびりと写真や見物ができたが、陽が高くなってくると荒川登山口から登ってくるツアーの団体が大勢押し寄せるようだ。 2200年とも7200年ともいわれている樹齢、有史以前から生きているという事実からしても、見ているだけで、人間が太刀打ちできない圧倒的な自然の力を感じるようである。 |
||||||||||||||||||||
縄文杉を見た後は夫婦杉に出会う。右が男杉で左が女杉とのことであるが、どちらから出たのか男と女の杉をつなぐ枝が繋がって、夫婦が本当に手を繋いでいるようである。 | |||||||||||||||||||||
ウイルソン株には8時40分にたどり着く。 江戸時代の切り株で、アメリカ人のウイルソンが、1914年(大正3年)に来島してこの株の存在を世に紹介した。 空洞化した内部はワンルームほどの広さとなり、清水も流れている。 |
|||||||||||||||||||||
翁杉は推定樹齢は約2000年。着生樹が多く、その根が幹を這って地面に達しているようすは屋久杉の特徴を表している。 小さな流れのそばで湿度が高く苔におおわれており、屋久杉の古木らしい風格があってまさに翁杉の名がふさわしい。 |
|||||||||||||||||||||
9時45分、大株歩道入り口へ降りてきた。 トロッコ道は、小杉谷を経て荒川登山口まで続いているようですが、私たちは楠川分れまでの1時間ほどを下って行く。 |
|||||||||||||||||||||
楠川分れには10時50分。そこから辻峠に向けて登り始める。辻峠には11時45分到着する。 そのまま、休憩も取らないで、もののけ姫の森に向かって下っていく。 七本杉、、宮崎駿監督の『もののけ姫』の背景として有名になった白谷雲水峡最奥部に位置する。 |
|||||||||||||||||||||
白谷山荘を12時15分に通過してすぐに、「くぐり杉」がある。 | |||||||||||||||||||||
楠川歩道に入り、しばらく歩くと、さつき吊り橋にたどり着く、ここまでくるとバス乗り場がある白谷広場にはもうすくだ。 屋久島では、猿もヤクシカも人間に対して警戒感が無く、すぐそばまで近づいてくる。 |
|||||||||||||||||||||
白谷雲水峡『飛流おとし』花崗岩の大岩の間を豪快に轟音をたてて清流が流れ落ちていく。 | |||||||||||||||||||||
今回の屋久島・宮之浦岳縦走登山の最終地点の白谷広場には13時15分に到着する。 2日間とも快晴というコンディションにはなかなかめぐり合えないといわれていたが,、今回の山行はその2日とも雨も降らずに快適な登山となり屋久島の大自然を満喫し圧倒されて驚きの連続でした。 白谷広場からバスにて宮之浦まで降りていく。バスは午後には1時間おきに出ていた。 |
|||||||||||||||||||||
翌日26日未明に雨の音で目が覚める。大雨が降っている。民宿の隣の部屋では合羽を着込んでこれから出かける声が聞こえる。『雨の登山は大変だ!』。私たちは非常にラッキーでした。 小雨の中、12時頃宮之浦港からフェリーに乗って鹿児島港へ戻る。 天文館を歩きながら市内見物をして、帰りの飛行機の時間まで時間をつぶす。 鹿児島といったら、西郷さんですよね! その後、鹿児島空港より19時40分発の羽田行きに乗って帰って来た。 |
|||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||